ベルギーの黒ビール

ベルギービールの種類・歴史をご紹介:おススメの黒ビールは?

投稿日:2019年6月25日 更新日:

ベルギービールの種類・歴史をご紹介:おススメの黒ビールは?
ベルギービール?余りピンとこないけど、種類はどれぐらいあるの?ビールの歴史は古いの?お勧めのベルギービールは?教えて下さい。

実は、ドイツと双璧を成す程のビール大国なのが、ベルギー!

フルーツを原料に使ったり自然の酵母を使ったりと、日本人には馴染みの無いビールスタイルが楽しめるのがベルギービールなんです。

こちらでは下記ポイントを踏まえて、『ベルギービール』について解説していきたいと思います。

・ベルギービールの歴史『修道院ビール(トラピストビール)』
・ベルギービールの種類は大きく分けて5種類

ベルギービールとは

ベルギービールの歴史

秘かな?ビール大国と言われるベルギー。
この国には、数多くの醸造所が存在し、その殆どが古い歴史を持っています。

言わば、老舗のオンパレード!
それがベルギービールの世界です。

ベルギービールの世界

ベルギービールの世界

チョコレートやワッフル、小便小僧で有名なベルギー。
しかし、これ以外でピンっと来るモノは?

実はこのベルギー。
ビール好きなら絶対外せない国の一つでもあります!

その理由は、ズバリ「伝統に裏打ちされた独特なビール文化」にあるからです。

その独特なビール文化とは、一言で言えば「何でもあり!」です。

ドイツのビール純粋令の様に、『水・麦芽・酵母』のみで造られるのがビール本来の形!と言った、シンプルな考えから造られるビールとは違い、「美味しくなるのなら何でも利用する!」と言った発想から醸造されているのが、ベルギービールでなのです。

ベルギービールは副原料がポイント!

ベルギービールは副原料が命

ベルギーで造られるビールは、日本人にはあまり馴染みのない原料が使われている事でも有名です。

例えば、フルーツ!
サクランボやブドウ、木苺や桃、青りんごなどその種類は多岐に渡り、一種独特なビールの世界を造り挙げています。

また、使われる酵母にも特徴があり、その地域独特なビールの味わいを造り続けています。

では、なぜベルギーのビールは副原料に拘っっているのでしょうか?

ベルギーの人は、ビールに素晴らしい風味や香り、味わいをもたらすのであれば、何でも利用してしまいます。

特に、『副原料』と呼ばれる木苺やチェリーなどに代表されるフルーツや、スパイスなどを用いて、バラエティー豊かな味わいをビールに加える事を好むのです。

その為、ビールの種類は多岐に渡り、人口が1000万人程の小さな国なのに130社以上のビール会社があり、800以上もの銘柄が存在するのです!

そんな、多種多様なベルギービールの世界でも、大きく分類する事が出来ます。

その代表が、『ランビック(自然発酵ビール)』です。
こちらに関しては、詳細を別途ご紹介していますので、そちらで確認して下さい。

ベルギービールの歴史は修道院ビール(トラピストビール)の歴史

修道院ビール

17世紀頃から修道院で醸造されるようになった『修道院ビール』。

そこには、修道士たちの日々の糧を得るためにビール醸造が行われてきた歴史があります。

フランスなどの修道院では、お国柄「ワイン」が造られていたようですが、ベルギーではやはりビールです。

また、この修道院ビールは『アヴィ・ビール(ベルギー北部、オランダ語圏では)』と呼ばれ、施設の維持や修道士の活動資金の為、商業的に運営をしている醸造所などに、ビール醸造の権限や修道院の名前を使える権限を与えていました。

もう一つ、修道院ビールと呼ばれるものがあります。
それが『トラピスト』です。

このトラピストとは、ベルギー国内では5箇所。
国外では、オランダに1箇所あるトラピスト修道会と呼ばれる修道院のみで造られているビールを指します。

アヴィ・ビールの中でも古典的なビール醸造を行ってきたトラピスト修道会は、その伝統ある醸造技術を守るべく、政府に働きかけ商標権を得る事に成功しました

その後、そのビールは『トラピスト・ビール』と称され、6箇所のトラピスト修道会で造られたビールのみ、トラピストと名のる事が許されるようになったのです

これにより、アヴィ・ビールとトラピストビールの線引きが成されるようになりました。

ベルギービールの種類

ベルギーで造られているビールスタイルは、大きく分類すると下記の5タイプに分かれます。

・修道院ビール(トラピストビール)
・ホワイトビール
・レッドビール
・ブラウンビール
・セゾンビール

どれも個性的で、日本のビールのイメージとはまったく違う面白さがあります。

修道院ビール(トラピストビール)

トラピストビールの基準

先述の通り、トラピストと呼ばれるビールは6銘柄(6つのトラピスト修道会)だけです。

では、トラピストにはどういった基準があるのでしょうか?

トラピストビールの呼称は、1962年にベルギー貿易通商裁判所の承認により法的に保護されたものです。

その後、1997年に国際トラピスト会修道士協会(ITA)が設立される訳ですが、その理由は、多くのビールが「トラピスト」と名乗り乱用してしまった為です

そこで、ある基準を設けてその基準に満たしたビールのみ「Authentic Trappist Product」の文字の入った六角形のロゴマーク入りのラベル使用を許可したのです。

その基準は以下の3つです。

①トラピスト会修道院の修道士が自ら醸造するか、修道士の監督の元で醸造されたものであること
②修道院の敷地内の醸造所で醸造されていること
③販売は営利目的で行ってはならず、収益は修道院のメンテナンスや運営費用に充て、残額は慈善団体に寄付すること

因みに、そのラベル使用を認められた6箇所のトラピスト・ビールがこちらです。

・オルヴァル(Orval)
・ロシュホール(Rochefort)
・ウェストマレ(Westmalle)
・シメイ(Chimay)
・ウェストフレテレン(Westvleteren)
・ラ・トラップ(La Trappe)

オルヴァル(Orval)

オルヴァル・トラピスト修道院
Image by alexvie1989 from Pixabay

ルクセンブール州フロレンビーユ近郊にある「オルヴァル・トラピスト修道院」。

その歴史は古く、1070年に建造され、今現在のものは1930年代に再建された建物です。

この修道院で造られるトラピスト・ビールは、非常にドライ感があり、強く感じられる苦みが特徴的です。

また、オレンジ掛かった独特な色合いも、このトラピストのポイントでもあります。

3次発酵まで行い、その後瓶内熟成は約2か月間。
更に、3年ほど寝かして熟成のピークを迎えます。

ロシュホール(Rochefort)

ナミュール州アンデンヌのロシュホールという小さな町にある「ロシュホール・トラピスト修道院」。

正式名称は「ノートルダム・ド・サン=レミ修道院」と言い、元々は女子修道院として1230年に設立され、その後1464年に男子修道院となりました。

この修道院では、1595年からビール醸造が始まり、フランス革命後、修道院が破壊された事もあり一時中断していましたが、1899年よりビール醸造が再開されました。

因みに「ロシュホール」とは、ここで醸造される修道院ビールの銘柄となります。

ロシュホールでは、3種類(「6」「8」「10」)の上面発酵ビールを醸造しています。

これらの数字は、麦汁の比重を旧式のベルギーの単位で表したものです

ロシュホール10

どれもアルコール度数が高く、『ロシュホール10』などは11.3%もあります。

ダークブラウンの色味と複雑なアロマが絡み合った香り。そして、チョコレートやブランデーを彷彿とさせる後味は、まさに秘められた修道院ビールの代表とも言えます。

ただ、このロシュホール。
修道院の活動資金を満たせば必要以上に醸造量を増やす事がないので、市場に余り出回らないトラピスト・ビールでもあります

ウェストマレ(Westmalle)

アントワープ州北部ウェストマレ村にある「ウェストマレ・トラピスト修道院」。

正式名称は「聖心ノートルダム修道院」と言い、創設は1794年
ビール醸造は1836年から行われています。

1920年代までは、商業ベースでの販売は行っておらず、地元でのみの販売で修道院の活動資金を担っていました。

ウェストマレでは、3種類の上面発酵ビールを醸造しており、特にアルコール度数(約9.5%)が高い「トリプル」は、高アルコールビールにも関わらず淡色金色の色味が特徴的で、他の醸造所でも参考にされる程の人気となりました。

いわゆる『トリプルの母』と呼ばれるのが、このトラピスト・ビールです。

何種類ものホップで苦みのアクセントを付け、約3か月のタンク内での熟成

その後、糖を加えて刺激を与え4週間ほどの瓶内熟成を経て、半年から1年の熟成期間を要して完成に至ります

ウェストマレ(Westmalle)

現在流通しているのは、「ダブル(デュベル)」と「トリプル」の2種類。

「エキストラ」は、院内で修道士が飲む為のアルコール度数が抑えられたトラピスト・ビールです。

因みに、ダブルは約6.5%のアルコールでありながら、ダークブラウンの色味が特徴的です。

エステル香が漂い、コクとまろやかさ特徴的。
そして、麦芽の風味が贅沢に味わえる修道院ビールとなっています。

シメイ(Chimay)

トラピストビール:シメイ

エイノー州最南端の町シメイにあるのが、「シメイ・トラピスト修道院」。

正式名称は「ノートルダム修道院」。
又は「スクールモン修道院」と言い、最初に商業的醸造を行った修道院でもあります。

1860年代に市販されたシメイは、最初にトラピスト・ビールという名を用いて販売された修道院ビールでもあり、今現在、ベルギーで最も有名な醸造所です。

シメイでは、3種類(レッド・ホワイト・ブルー)の古典的な上面発酵ビールを醸造していますが、どれもアルコール度数が高く、それぞれ趣も違っています。

レッドの特徴は、何と言っても見た目。
赤褐色のワインの様な美しい色合いは、これがビールだという事忘れてしまいそうなトラピスト・ビールです。

また、3つの中で一番アルコール度数が低く(約7%)、非常にソフトな飲み口となっており、ブラック・カラント(黒スグリ=カシス)の香りが感じられます。

ホワイトは、ホップの苦みが効いた辛口の味わいが特徴。

ピルスナーの様な黄褐色でキレのある修道院ビールとなっています。

そして、最後にブルー。
こちらは、一番アルコール度数が高く約9%。

ペッパーの様なスパイシーな味わいとフルーティーな甘さが混在した、非常に複雑で飲み応えのあるトラピストとなっています。

また、このビールは製造年入りとなっており、貯蔵する事により更に熟成が進み、まろやかな味わいが楽しめます

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ウェストフレテレン(Westvleteren)

1831年、西フランダース州ポペリングの町に設立されたのが、「ウェストフレテレン・トラピスト修道院」です。

正式名称は「シント・シクステュス修道院」と言い、ビール醸造を開始したのが1838年
トラピストの中では、最も小規模な醸造所でもあります。

商業的醸造には非常に消極的で、流通しているものが殆どなく、地元ベルギーでもプレミアが付く程の貴重なトラピスト・ビールとなっています。

購入出来るのは、修道院内での販売所か隣接するカフェのみ。

しかも売り切れ御免!の為、多くの非正規品が暴利な価格で流通しているのが現状です。

ウェストフレテレンでは、3種類の麦芽風味の豊かな上面発酵ビールを醸造しています。

ここのトラピストは、ラベルが無く王冠の色によって分けられています。
緑がブロンド、青がエクストラ8、黄色がアプト12です。

特に「アブト12」は、ビール愛好家の間では『世界一!』と評されるトラピスト・ビールで、約10%の高濃度アルコールが織りなす強烈な酵母の香りは、苦みと甘さを引き立たせ、濃厚な味わいに仕上がっているようです。

残念ながら日本では飲む事は叶いませんが、そんなアブト12に非常に近いと言われるビールが日本でも味わう事が可能です。

それが、『セント・ベルナルディスアプト12/St.Bernardus 12』。

その理由は、以前シント・シクステュス修道院から委託醸造されていた「セント・ベルナルデュス醸造所」が醸造しているビールだからです。

こちらには、ウェストフレテレンの忠実なレシピがあり、それを基にビール造りが行われているので、最もアブト12に近い味わいを堪能できます。

ラ・トラップ(La Trappe)

1882年、オランダ北部ブラバント州に設立されたのが、「ラ・トラップ・トラピスト修道院」です。

正式名称は「コニングスホーヴェン修道院」。
1884年からビール醸造を行っている、国外で唯一のトラピスト醸造所でもあります。

商業的醸造を積極的に行っていたこの修道院は、大規模な機械化を進め、多くの商品を流通させてきました。

しかし、人員不足により外部(民間の醸造会社)からスタッフを迎い入れたことにより、修道士がビール醸造に携わらなくなってしまいました

その結果、1996年にトラピスト・ビールとしての名称の使用権利などがはく奪され、ビールラベルからトラピストのゴロが外されてしまったのです。

しかし、コニングスホーヴェン修道院はその後も継続して利用していた為、問題となり改善措置が取られました。

それは、修道士が1日数時間醸造作業に携わり、トラピスト・ビールの品質管理を行う事で、2005年に再度認可される事となったのです。

ラ・トラップでは、4種類のトラピスト・ビールを提供しています。

本来、トラピスト・ビールはビールの相対的な強さを3段階(「enke=ベース」、「dubbe=2倍」、「tripe=3倍」)に分けています。

しかし、ラ・トラップではトリペル(オランダ語でトリプル)の上に、更にクアドラプルというスペシャリティーが存在する事です。

この『ラ・トラッペ クアドラプル』は、アルコール度数が約10%と非常に高く、甘さとスパイシーな味わいが特徴のトラピスト・ビールです。

まさに、ワインの様に香りや色を楽しみながらじっくり味わっていくビールとなっています。

新たなトラピストビールが誕生!

シトー修道会
Image by Guy Dugas from Pixabay

トラピスト会修道院は、1098年にフランスのブルゴーニュ地方のシトーで設立された「シトー修道院」がルーツとされています。

トラピスト会修道院=厳律シトー会』と表記されるように、修道規制の改革が起り、大修道院(1800も要した)だったシトー修道会の中から、厳格な規律を重んじるグループがこの厳律シトー会を設立しました。

因みに「トラピスト」とは、修道会があった場所を取ってそう呼ばれるようになったようです。

トラピスト会修道院は、今現在世界で171箇所あり、その内トラピストビールを醸造しているのが6箇所と記載しました。

しかし、1998年に1箇所。その後4箇所が新たに認可され、合計11箇所でトラピストビールが造られています(2017年現在)。

その新たに加わった修道院が、こちらの5つです。
*詳細は割愛させて頂きます。

【アヘル】アヘル修道院(ベルギー):1998年認可
【グレゴリアス】スティフト・エンゲルスツェル修道院(オーストリア):2012年認可
【スペンサー】セントジョゼフ修道院(アメリカ):2013年認可
【ズンデルト】アブダイ・マリア・トゥーフルフト修道院(オランダ):2013年認可
【トレフォンターネ】トレフォンターネ修道院(イタリア):2015年認可

ホワイトビール

ベルジャンスタイルホワイト」という呼び名で通っているでしょうか。

名前のごとく白っぽく濁った色をしたビールです。

英語圏では「ヒューガルデン・ホワイト」、フランス語圏では「ピエール・ブランシュ」という名で輸出されています。

因みに、ベルギーにおけるこのホワイトビールは、ブリュッセルの東に位置するヒューガルデン村で盛んに醸造されていました。

ホワイトビールの歴史

1700年代には、30以上もの醸造所がホワイトビールを造っていました。
しかし、1954年に最後の醸造所が閉鎖され、それ以降途絶える事となります。

その原因は、ラガービールの台頭だと言われています。

しかし、1966年に地元の牛乳屋だったピエール・セリスが、古い醸造所を買い取りホワイトビールを復興させる事となります。

それが村の名前を取った『ヒューガルデン・ホワイト』です。

ヒューガルデン・ホワイト

ホワイトドリンク(牛乳屋)がホワイトビールを造ったのです・・・。

関連記事:ヒューガルデン・ホワイト/Hoegaardenの評価・レビュー【準備中】

ホワイトビールの特徴

ホワイトビールは小麦が主原料

ドイツのヴァイツェンも同様、こちらのホワイトビールも主原料(45%以上)に小麦が使われています。
その為、白濁とした色合いが特徴です。

しかし、ヴァイツェンとは違う点があります。

それは、ヴァイツェンの場合は小麦を麦芽(モルト)の状態にしてから醸造されるのですが、ホワイトビールの場合は、小麦をそのままの状態で使用するのです。

小麦をそのまま用いる事により、更にフルーティーな酸味のある仕上がりとなります。

オレンジの爽やかな香りと、マスカットの様な甘い香りが両方楽しめる不思議なビール」と、評される程です。

更に、その他の主原料としてグリーンモルト(大麦を少し日干しした程度の麦芽)や、グルテンが殆ど無いカラス麦などが用いられています。

そして最大の特徴は、オレンジの皮やコリアンダー、クミンといったスパイスを副原料に使う事により、乳酸臭が抑えられた爽やかな味わいに仕上がると言う点です。

因みに、この独特な乳白色は瓶内熟成で数か月すると次第に澄んで行き、光り輝く美しい色合いへと変化していきます。

レッドビール

ベルギー北部の西フランダース州では、酸味の強いルビー色をした赤ビール(レッドビール)が醸造されてきました。

では、レッドビールの特徴でもあるその不思議な色合い。
どのようにして生まれたのでしょうか?

それは、原料であるウィーン麦芽が使用されているのが一つの理由です。

【ウィーン麦芽】
麦芽を低目の温度で焙燥され、赤み掛かった色合いをビールに与えるのが特徴。元々は、オランダのウィーンの醸造家「アントン・ドレハー」によって造られたウィンナー・ラガーで使われていた麦芽だったことから、ウィーン麦芽(ウィーンモルト)と呼ばれるようになったようです。

レッドビールの赤色は熟成樽にあり!

レッドビール:赤ビール
しかし、その独特な色合いを引き出す最大の理由は、実は『酒樽』にあります。

レッドビールで用いられる最も有名な大樽としては、「ローデンバッハ社」の醸造所が貯蔵するオークの木で造られた大樽が挙げられます。

上塗り(コーティング)される事なく使い続けられているこの大樽は、タンニンやカラメルが多く含まれており、長期熟成によって自然にビールを色付けて行きます。

更に、レッドビールのもう一つの特徴が、強い酸味と副原料にフルーツを使用したかのような甘味です。

実際、フルーツ系の副原料は一切使用されていません。

実は、この甘味や酸味も大樽の中に寄生している乳酸菌や酢酸菌によって生み出されています。

要するに、「自然に味付けされたもの」という事です。

基本的には、このレッドビールは醸造過程でブレンドされると言う、非常に古典的な方法で造られています。

その方法とは、熟成期間(約2年ほど)の長い古酒と、1次発酵後の若ビールを混ぜ合わせ、更に2次発酵の段階で5~6週間熟成させるというものです

因みに、その比率は『古酒25:若ビール75』ほどだそうですが、醸造所によって違いがあるようです。

最後に、このレッドビールを造っているもう一つの代表的な醸造所をご紹介します。
それが、『ヴェルハーゲ醸造所』です。

ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ

ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ

個人的にも思入れがありまして・・・。

実は、初めて飲んだベルギービールでもあったのが、この醸造所が手掛ける「ドゥシャス デ ブルゴーニュ」だったのです。

特に、食前酒として飲むのがおススメ!

今でも「独断と偏見」ではありますが、5本の指に入るお気に入りのビールであります。

ブラウンビール

ラベルには、しばしば『Old Brown/オールド・ブラウン』といった表記がされており、イギリスのオールド・エールと勘違いしがちですが、まさに「茶色」の色あいが特徴のエールビール。

オード・ブライン(=オランダ語:Oud Bruin)、もしくわ『フランダース・ブラウン』とも言われています。

主に、東フランダース州の限られた地域で醸造され続けてきた、「世界で一番複雑なエールビール」と言わしめる程!

そんなブラウンビールの代表的な銘柄と言えば、『リーフマンス醸造所』です。

東フランダースのアウデナールデという町で、1679年からビール造りを行っています。
まさに老舗です。

こちらで醸造されているブラウンビールは、レッドビール同様、古酒と若ビールをブレンドして熟成させます。

レッドビールとの違いは、銅窯で一晩掛けてグツグツと煮沸され、その後金属製のタンクで熟成されるところです。

長時間の煮沸は、ランビックなどでもしばしば見られる方法です。
所以は定かでは無いのですが・・・。

ブラウンエールの特徴

チェリーを使ったブラウンビール

麦芽の風味は豊かで、ホップの苦みは若干抑えられています。

チェリー系のエステル香や、乳酸菌による柑橘系の酸味が複雑にブレンドされた味わいが特徴的です。

特に、「トフィー」の様な糖蜜の甘さは、東フランダースの人々の嗜好を表していると言えます。

セゾンビール

穀倉地帯で飲まれているセゾンビール

ベルギーの東南部(ワロン地方)に位置する田園地帯(エノー州、ナミュール州、リュクサンブール州)では、夏の収穫期に喉を潤す為のビールが醸造されてきました。

それが、セゾンビール(季節ビール)です。

セゾン。いわゆるシーズンを意味するこのビールは、農閑期に醸造が行われ、夏場の繁盛期に飲料水の代わりに労働者達に提供されていました。

他のビール会社でも『季節限定』と銘打って、クリスマス時期などにスペシャリティー・ビールを造っていますが、季節ビールはそれらとは意味合いが違い、あくまでも「セゾンビール」という一つのタイプを指します。

その理由の一つにセゾン(Saison=英語Season)という単語には、「(香辛料や調味料などで)味を付け加える」という意味もあります。

まさしく、セゾンビールは冬に仕込んで年を跨いで夏まで貯蔵しておかなくてはならないので、スパイスやハーブなどを副原料として「付け加えられた」ビールという事になります。

このワロン地方では、100年以上の歴史ある醸造所ばかりで、農家との兼業という事もあり小規模で『家』独自のこだわった醸造方法が特徴でもありました。

しかし、資本を多く投資出来る大型農家が醸造量を増やして、『醸造農家』へと移行していき、だんだんと淘汰されていったようです。

セゾンビールの特徴

先ず、飲料水の代用として飲まれていたので、アルコール度数が低めに造られている点です。

と言っても、5~6%ほどですが。

また、目を引く鮮やかなオレンジ色掛かった黄金色。そして、強い果実香とソフトな口当たりは、セゾンビールの特徴でもあります。

特に、強めの炭酸がアクセントとなっています。

そんな醸造酪農から専業の醸造所となり、セゾンビールの販売量が最も多いと言われているのが、ナミュール州にある『デュ・ボック醸造所』です。

セゾンビールの代表格『セゾン・レガル』

セゾンビール:セゾン・レガル

代表的なセゾンビールと言えば、「セゾン・レガル」。

口当たりの軽さとは裏腹に、ボディの効いたしっかりとした飲み応えが特徴です。

また、アロマホップとフルーティーな香りとのバランスが絶妙だとも言われています。

しかし現在では、一年を通して醸造されるようになり、セゾンビールとは呼べなくなってしまいました・・・。

その他、デュポン醸造所やルフェーブル醸造所などがあり、どこも歴史が古く創業者一族が今現在でも運営に携わっています。

ベルギー最古の醸造所は1679年からというのですから、ベルギービールの歴史が如何に古いかがお解り頂けると思います。また、果実やスパイスなど多岐に渡る副原料の存在は、更にベルギービールの奥深さと複雑さを演出しています。そして、何と言ってもトラピストの存在がベルギービールの神秘的な要素を作り出しています。ベルギービールには、アイルランドやスコットランドといった真っ黒なスタウト。いわゆる黒ビールと呼ばれるモノはありませんが、ブラウン系や少し薄めのアンバー系の色合いを持つビールも数多く存在します。特に、上記で挙げた『ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ』は、日本人のビールの概念を覆すような味わいです。是非、試してみて下さい!

『ベルギービールの種類・歴史をご紹介:おススメの黒ビールは?』は以上となります。

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