ビールの基礎知識

ビールの原料「モルト(麦芽)」とは【ベースモルト】

投稿日:2019年7月4日 更新日:

ビールの色を決めるモルト
よく聞くビールのモルト。でも、どうしてモルトからあのビールが出来るのだろうか?イマイチよく解らない!教えて下さい。

「モルトの風味」だとか「麦芽100%だとか」、大手ビール会社の缶ビールなんかにもよく見掛けるこのセリフ。

しかし、そもそもモルト(麦芽)って何なのでしょう?
実際、よく解らないのが事実。

さて、こちらでは下記ポイントを踏まえて、『モルト(麦芽)』に関して解説していきたいと思います。

ベースモルトはビールの基本?
そのベースモルトによってビールの味も決まる!?

ベースモルトとは

ベースモルトとは

ビールの主原料でもある「モルト(麦芽)」。

実は、実際ビールに使われるモルトは2種類存在します。
その一つが『ベースモルト』です。

名前の通り、ビールのベース(基本)となる様々な麦芽を総称したものを言います。

ビールに欠かせないベースモルト。その役割とは

ベースモルトの役割
Image by Tibor Janosi Mozes from Pixabay

実は、このベースモルト。焙燥(低温での温風乾燥)する事により発芽の生育を止めた状態になってます。

その理由は、多くの糖化能力を持った「酵素」を蓄える為です。

また、自身のタンパク質は基より、他の副原料(米やコンスターチ)をも十分糖化することが出来るようになっています。

このような製麦(大麦を麦芽にして焙燥し保存できる状態にする)を行った麦芽(モルト)を使うことによって、アルコール発酵が出来る麦芽となり、ビールを造り出すのです

ちなみに、これ以上焙燥温度を上げると、発芽で蓄えられた酵素類が失われてしまい、ベースモルトとしての役割を補えません(例外的に酵素が失われないものもあります)。

ただ、コーヒー豆の様に焙燥させて使うモルト(麦芽)もあります。

そこで登場するのが、もう一つのモルト(麦芽)。
それが、スペシャリティーモルトです!

こちらに関しては、下記で詳しく解説しています。

ベースモルトの特徴

ベースモルトと一言で言っても、様々な特性を持つ麦芽(モルト)が存在します。

その違いは、下記のような条件で性質が変わってきます。

・大麦が栽培される場所によって性質が違ってくる点。
・モルティング(大麦を水に浸し発芽させる作業)によって出来たグリーンモルト(緑麦芽)の水分量の違い。
・焙燥温度の違い。
・モルトに含まれるデンプンやタンパク質、ビタミンやミネラルなどの栄養素の量。

それぞれ違ったベースモルトとなり、その種類は多岐に渡ります。

ベースモルトの種類

ベースモルトの種類
Image by sirmarkdavid from Pixabay

こちらでは、そんなベースモルトで使われる代表的な品種をご紹介します。

因みに、ここで記載されている数値(SRM【ビールの色】)はあくまでも参考データーです。
メーカーによっても違いがあり、正確な指標ではありませんので、その旨ご了承ください。

ピルスナーモルト(二条ラガーモルト)

70℃前後の温度で焙燥。タンパク質を糖化する力が強い。
ヨーロッパ大陸でベースモルトとして使われる。
◆ SRM:1.5~2.0

ペールエールモルト

焙燥温度は120℃前後。この麦芽(モルト)は、自身のタンパク質の量しか分解することが出来ず、副原料を使う場合は他のベースモルトを補う必要がある。
イギリスのエールビールで一般的に使われるモルト。
◆ SRM:3.0~4.0

ウィンナモルト

ペールエールよりやや高めの温度で焙燥。その分糖化能力は落ちるがベースモルトとして使用可能。
赤みがっかたビールで使用(主にウィーンスタイルのビール)される。
ベースモルト、スペシャルティーモルト両方で使われる。
◆ SRM:2.5~4.0

ミュンヘンモルト

焙燥温度は100℃~115℃前後。主に赤褐色のラガービールに用いられる麦芽(モルト)。
デュンケルやボックなどは、ベースモルト、スペシャルティーモルト両方で使用。
◆ SRM:5.0~12.0

アルコール発酵は、主原料から『糖化』能力がある「酵素」を生み出す事によって行われます。そして、ビールの場合はモルト(麦芽)がその役割を果たすのです。各製品が「麦芽」や「モルト」を強調する理由は、その製品(ビール)が主原料である「大麦」を贅沢に使っている事をアピールしたいのも、一つの理由でしょう。酒税法による「ビールもどき」の氾濫により、それらと線引きをしたいと言うのが一因かも知れません。

『ビールの原料「モルト(麦芽)」とは【ベースモルト】』は以上となります。

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