黒ビールでもっとも大切なのが色、その色を造り出すモルトを総称してスペシャルティーモルトと言います。
ベースモルトがビールの基盤を造るのに対して、このスペシャルティーモルトは色、味、そして香りをビールに付け加えるモルト(麦芽)です。
このモルトは麦芽を焙燥(温風で乾燥)する時に約150℃から温度が高いものになると200℃以上で乾燥させるため、麦芽が本来持っている糖化力(デンプンを糖に分解する酵素)が無くなっています。
その為、これ単体ではビール造りは行えませんが、このスペシャルティーモルトの様々な色合いによって、黒ビール(濃色ビール)の色が決まります。
これ程の温度になると、まさしく「焦がす」といった感じになってくるので、ビールにコクや芳ばしい香り(焙燥香)を与えることが出来ます。
ただ、このスペシャルティーモルトを入れる量には注意が必要で、あまり入れ過ぎるとビール本来の香りを崩してしまい、独特な焦げ臭さだけが際立ってしまいます。
ところで、ビールの色を判断する基準にはどのようなものがあるのでしょう。
日本ではSRM(Standard Reserch Method)というチャートで表示されています。
これは、アメリカの団体(American Society of Brewering Chemists)が作成しているものでビール自体の色を表し、麦芽の色はLovibond(°L)で表します。
欧州ではEBC(European Brewery Convention/ヨーロッパ醸造協定)による色度数によって表示され、ビール及び麦芽の色を両方表しています。
ここでは、数多くあるスペシャルティーモルトの中から代表的なものを紹介していきたいと思います。
焙燥温度、使われている場所、それにメーカーによっても呼び方が変わってきます。
| アンバーモルト |
90℃前後で焙燥、その後150℃程で焙煎。 |
ビスケットのような香りがあり、マイルドエールなどに赤みを付けるため使用。(20〜30SRM) |
カラメルモルト
(アメリカ)
クリスタルモルト
(イギリス) |
発芽した後、50℃〜70℃の温度でお湯に浸し、糖化させてから120℃〜180℃で焙燥 |
このモルトの糖は発酵されずそのまま残り、甘味とコクをビールに与える。
ダーク、ミディアム、ライトによって色の度合いは様々(10〜300SRM) |
チョコレートモルト
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焙燥温度
160℃〜220℃程 |
鋭い苦味と芳ばしいロースト風味が特徴。ポーター、ブラウンエール、デュンケル等に使用。(350〜450SRM) |
ブラックモルト
(黒麦芽) |
焙燥温度220℃以上
ほとんど焦げた状態で使われる |
渋みを付ける。スコッチエールなどに使用。(500〜600SRM) |
| ローステッドバーリー |
焙燥温度220℃〜230℃ |
大麦又は小麦を発芽させずそのまま焙燥を行う。スタウトなどに用いられ、真っ黒な色合い。(400〜600SRM) |
この数値は、あくまでも参考データーでメーカーによっても違いがあり、正確な指標ではありませんのでその旨ご了承ください。
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